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Excelで始める!データベースの作り方

「Excelをもっと効率よく使いたいけど、表がぐちゃぐちゃになってしまう…」
そんな悩みを持つ方に朗報です。Excelを「データベース化」すれば、情報を整理し、検索や集計も一瞬で完了します。

この記事では、Excelをデータベースとして使うための基本から応用までを、初級~中級者向けにやさしく解説します。

Excelをデータベース化するメリット

Excelは表計算ソフトとして有名ですが、少し工夫すれば立派なデータベースとしても活用できます。
データベース化のメリットは次のとおりです。

  • 検索・抽出が簡単になる(必要な行をすぐ見つけられる)
  • 集計が自動化できる(ピボットテーブルで瞬時に分析)
  • 整ったデータ構造を保てる(重複や入力ミスを防げる)
  • 他のシステムへ移行しやすくなる(AccessやSQLへの基礎になる)

つまり、Excelを「単なる表」から「検索と分析に強いデータ管理ツール」へ進化させることができるのです。

データベース設計の基本ルール

Excelをデータベースとして使うためには、まず正しい構造設計が欠かせません。
以下の5つのルールを守るだけで、トラブルの大半を防げます。

ルール内容
1. 各列に一意の見出しをつける「氏名」「部署」「日付」など重複しないヘッダーを設定
2. 1行=1件のデータ一人の情報を複数行に分けない
3. 1セル=1データ姓と名、住所と郵便番号などを分けて管理
4. 空白行・空白列を作らないExcelがデータ範囲を正しく認識できなくなる
5. セル結合を使わないフィルターや関数が正しく動作しなくなる

この5原則を守れば、Excelでも立派なデータベースが作れます。

Excelでデータベースを作る手順

1. 列見出しを決める

管理したい項目を明確にして、1行目に見出しを入力します。
例:社員データなら「社員ID」「氏名」「部署」「入社日」「給与」など。

2. データを入力する

2行目以降に、1行1件ずつデータを入力します。空白行は作らないようにしましょう。

3. テーブル化する

任意のセルを選択して、Ctrl+T(または「挿入」→「テーブル」)をクリック。
「先頭行を見出しとして使用する」にチェックを入れます。

これで、表が「Excelテーブル」として自動認識され、追加データも自動で範囲に含まれます。

4. 入力規則を設定する

部署やステータスなど、入力内容を制限したい列には
データ → データの入力規則 → リスト
を使い、ドロップダウン形式で選択できるようにしておくと入力ミスを防げます。

5. 書式設定で見やすく

日付列・数値列はそれぞれ書式を統一し、必要に応じ条件付き書式で異常値を強調しておくと管理がしやすくなります。

データの検索・抽出・集計を自動化する

フィルター機能

Excelテーブルには自動的にフィルターがつきます。
列見出しの▼をクリックすれば、条件を指定して必要なデータだけを表示できます。

関数で抽出・集計

データベース化した表は関数と非常に相性が良いです。
よく使う関数は以下の通りです。

  • VLOOKUP / XLOOKUP:キーを基に別の列を参照
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  • COUNTIF / SUMIF / AVERAGEIF:条件を満たす件数や合計・平均を計算
  • FILTER:条件に合うデータを抽出
  • DCOUNT, DSUM:データベース関数での範囲集計

ピボットテーブルで分析

テーブルを基にピボットテーブルを作成すれば、
「部署別の人数」や「年度別の平均給与」などを数秒で集計できます。

ドラッグ&ドロップだけでクロス集計ができるため、初心者にもおすすめです。

応用:複数シート・外部連携

複数シートで管理する

「社員基本情報」「勤怠データ」「給与データ」などをシートごとに分け、
共通のキー(社員IDなど)で参照すれば、簡易的なリレーショナル構造(まとまったデータの固まりを相互に参照すること)を作れます。

XLOOKUPINDEX関数を使えば、異なるシート間でデータを簡単に呼び出せます。

CSV・外部システムとの連携

他システムからCSVを取り込み、Excel上で整形・分析するケースも多くあります。
逆に、整理したデータをCSV出力してAccessやWebシステムへ連携することも可能です。

業務の中心にExcelを置きながら、外部データとも柔軟にやり取りできるのが最大の強みです。

便利な+αテクニック

  • 重複チェックCOUNTIFや条件付き書式でIDの重複を防止
  • 入力漏れ検出:IF関数で確認
  • 自動更新:テーブルならデータ追加時にグラフや集計が自動反映
  • 保護と制限:シート保護で重要セルをロックし誤操作を防ぐ
  • VBAで自動化:定型処理(集計・抽出・レポート出力)を一括実行

これらを組み合わせることで、Excelを業務システムに近い存在として使うことができます。

Excelをデータベース化するときの注意点

  • データ量が非常に多い場合(10万件超)は、処理が重くなる
  • 同時編集が必要な場合は、共有フォルダやクラウド管理が必須
  • 数式の入れすぎで動作が遅くなることもある

あくまでExcelは「軽量データベース」。
小規模〜中規模のデータ管理に最適です。

まとめ:Excelを「データ管理ツール」に進化させよう

Excelをデータベースとして使うコツは、構造を整えることに尽きます。
列・行・セルのルールを守るだけで、検索も集計も劇的に効率化します。

今日からできる3ステップ:

  1. 各列に明確な見出しをつける
  2. 空白や結合を使わず、1行1データにする
  3. テーブル化して構造を自動管理する

これだけで、あなたのExcelが「探せる・分析できる・共有できる」データベースに早変わりします。

業務効率を高めたい方は、ぜひこの方法を取り入れてみてください。

  • この記事を書いた人

いしはらゆうと


・瞬習エクセルアカデミー 代表
・2025年:朝日新聞「マイベストプロ」の取材を受ける
・2025年:「マイナビニュース」インタビュー登壇
・エクセル講師としての登壇・研修経験多数
・企業の新人教育や「実務に直結する」と評判の講座を数多く実施
・エクセルマクロを活用し、業務効率化ツールを多数開発
国家資格 応用情報技術者 保有
現場ニーズに即した「即戦力スキル」の習得支援を専門とする
「実務に必要なExcelの基本スキルを最短で習得できる」ノウハウを提供

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