この記事では、おすすめのパソコン資格について解説しています。
実務系・知識系の観点から4つに絞ってご紹介していますので、参考にしてみてください。
パソコン資格については、下記にもまとめた記事があります。
パソコンに関する資格一覧
パソコンの資格は色々あって、何が違うのか分かりにくいですよね。
ここでは大きく、「実務系」と「知識系」という形で分けて解説していきたいと思います。
実務系のパソコン資格
実務系のパソコン資格は、具体的な操作に関することがメインの試験内容である資格のことです。
例えば人気のOffice系資格であるMOSでは、試験会場で実際にパソコンで操作を行います。出された指示について正確に操作することで正解となりますので、まさに具体的な操作ができているかどうかを見られる試験だということです。
事務系の就職・転職を考えている方や、スキルアップのためとにかく実務で役に立つものが良いという方におすすめなのが実務系のパソコン資格です。
知識系のパソコン資格
知識系のパソコン資格は、パソコンやインターネットの仕組みがどうなっているのか等といったことやITに関する用語など、知識に関することがメインの試験内容である資格のことです。
例えば知識系の資格であるITパスポートでは、下記のような問題が出題されています。
ポイント
企業でのRPAの活用方法として、最も適切なものはどれか。
ア M&Aといった経営層が行う重要な戦略の採択
イ 個人の嗜好に合わせたサービスの提供
ウ 潜在顧客層に関する大量の行動データからの規則性抽出
エ 定型的な事務作業の効率化
これは、「RPA」という用語を知らなければ解くことができない問題で、このような知識が問われたりします。ちなみにこの問題の答えは4です。
実務系・知識系という観点も含め、パソコンに関する資格を一覧にして下記の通りまとめてみました。
資格名 | 分類 | 試験の種類 | 内容 |
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | 実務系 | 民間試験 | マイクロソフトオフィスの操作に特化した資格試験 |
日商PC検定 | 実務系 | 民間試験 | IT全般の知識・技能レベルを問う資格試験 |
ITパスポート | 知識系 | 国家試験 | 基本的なIT全般の知識を問う資格試験 |
基本情報技術者試験 | 知識系 | 国家試験 | やや高度なIT全般の知識を問う資格試験 |
その他の資格試験もありますが、「何か資格をとっておきたいな」と考えた場合、まずは上記の4つから選択すれば十分です。
あまりに受験者の少ないマイナー資格ですとそもそも取得するメリットが少なかったり、P検のように試験方式が大幅リニューアルされていることが通知されている資格もありますので注意しておきましょう。
参考:P検公式サイト
では、それぞれの資格試験について詳しく見ていきたいと思います。
パソコンに関する資格の詳細
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
実務で役に立つ資格が良い、履歴書に書いてアピールしたい、という方はまずMOSの取得がおすすめです。
MOSは「M=マイクロソフト、O=オフィス、S=スペシャリスト」の略称で、試験会場で実際にパソコンを操作しての試験が特徴です。知名度も高いため、履歴書に書く資格としても良いものとなります。
Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookと製品別に試験が分かれており、WordやExcelは一般・上級とレベルも分かれているのでどのような方でも自分の目指すレベルに合った試験を選択することができます。
試験内容
既にお伝えしたように、MOSはオフィス製品別に試験が分かれていますので、一例としてExcel2019の内容をご紹介します。
試験の形態:コンピュータを使った実技試験(PBT)
試験時間:50分
受験料:10,780円(税込)
※Excel2019の場合
出題範囲
出題範囲は参考となりますが、下記のような操作を求められます。
MOS出題範囲
- 文書の管理
- 文字、段落、セクションの挿入と書式設定
- 表やリストの管理
- 参考資料の作成と管理
- グラフィック要素の挿入と書式設定
- 文書の共同作業の管理
かなり実務向けの具体的な内容ですよね、具体的には公式ページを参考にしてください。
試験対策
特に一般レベルですと、内容的にはそれほど実務には自信があるので対策をしなくても問題ないと思われるかもしれませんが、せめて模擬の問題は解いておくようにしましょう。
理由としては、「答えが合っていれば良い」という試験ではないからです。エクセルではアイコンをクリックする代わりにショートカットキーを使用するなど、同じことを実現するために複数の方法が考えられることがあります。
しかし、MOS試験ではある程度決まった手順で問題に対する回答を実行しないと正解と見なされない傾向があります。
受験料も安くないため、市販の模擬問題などで練習し問題のクセをつかんでおくようにしましょう。
日商PC検定
総合的なITスキルとともに、実務スキルも身につけたいという方は日商PC検定がおすすめです。
MOSに比べ知名度は劣りますが、試験は知識と実技に分かれており、勉強していく中で役立つスキルを総合的に身につけることができます。
また、分野も
- 文書作成(Word)
- データ活用(Excel)
- プレゼン資料作成(PowerPoint)
に分かれているので、強化したい分野を集中的に勉強することが可能です。
試験内容 ※データ活用の場合
試験の形態:知識試験 + コンピュータを使った実技試験
試験時間:1級 90分(知識30分 + 実技60分)
2級 55分(知識15分 + 実技40分)
3級 45分(知識15分 + 実技30分)
BASIC 30分(実技)
受験料: 1級 10,480円
2級 7,330円
3級 5,240円
BASIC 4,200円
出題範囲
受験する級や分野により異なりますが、例えばデータ活用の2級ですと下記のような出題範囲となります。
日商PC出題範囲(実技)
- 企業実務で必要とされる表計算ソフト、文書作成ソフトの機能、操作法を身につけている
- 表計算ソフトを用いて、当該業務に関する最適なデータベースを作成することができる
- 表計算ソフトの関数を駆使して、業務データベースから必要とされるデータ、値を求めることができる
知識科目については、下記のような出題範囲となります。
- 企業実務で必要とされるハードウェア、ソフトウェア、ネットワークに関する実践的な知識を身につけている
- 業務における電子データの適切な取り扱い、活用について理解している
- ソフトウェアによる業務データの連携について理解している
「実務」ということに重きをおいているのが分かると思います。詳しくは日商PCの公式ページを参考にして下さい。
試験対策
MOSと同じく、せめて実技試験は実際に操作をするため市販の模擬問題で1度は練習をしておいた方が良いでしょう。知識問題については本当に自信があればいきなり受けるのも有りですが、せめて本屋さんでパラパラと問題を見て絶対に大丈夫だと思えるかは確認しておきましょう。
理想的には、受験料を無駄にしないためにも実技問題・知識問題ともに1回は問題を解いておくことです。
とにかく問題を解いて間違えたところを復習する、を繰り返すことが最も早い試験対策となります。
ITパスポート試験
IT全般について深く学んでいきたい、国家試験に挑戦したみたいという方はITパスポートがおすすめです。
ITパスポートはパソコンというよりも、「情報処理」というIT全般の知識について問われる試験です。
- 著作権法
- RPA
- AI活用
など様々な用語について理解しておく必要があります。
一見難しくて無駄なようにも思えますが、ITパスポートで問われる知識は日常に生活していたりニュースを読んだりする上でもよく耳にするような事柄が多いので、どのような方にとっても勉強して無駄になることはありません。
余裕があれば、これまでご紹介したMOSや日商PCで実務的な力を養いつつ、ITパスポートにもチャレンジして総合的な知識もつけていきましょう。
試験内容
試験の形態:コンピュータを使った選択式(CBT)
試験時間:120分
受験料: 7,500円
出題範囲
出題範囲は、「ストラテジ系」・「マネジメント系」・「テクノロジ系」に分かれており、下記のように分類されています。
ストラテジ系
- 企業と法務
- 経営戦略
- システム戦略
マネジメント系
- 開発技術
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
テクノロジ系
- 基礎理論
- コンピュータシステム
- 技術要素
詳しくは、ITパスポート試験の公式サイトを参照ください。
試験対策
とにかく過去問を徹底的にやりましょう。
ITパスポートは有難いことに公式サイトで過去問と解答が公開されていますので、問題を解いてみて間違えたところをインターネット検索などで復習するだけで十分な対策になります。
解説がほしいという方は、市販の過去問題集を購入しましょう。
所謂参考書のような本もたくさんありますが、個人的にはあまりおすすめできません。多くの方が仕事をしながら受験されると思いますので、時間が限られている中、教科書を読んでインプット重視の勉強は効率が良くないからです。
問題を解いて、知らなかった用語等をメモしておき派生する知識も覚えていくアウトプット重視の勉強がおすすめです。
本当にITが苦手であまりにも分からなさすぎる、という方は最初の内は教科書的な内容の本を読んでいくのも良いかと思います。それでも、少し分からないなと思う内容があってもあまり1つのことに時間をかけずまずは全体を読み切ってからできるだけ早く問題演習に入るようにしましょう。
基本情報技術者試験
公式サイトには「ITエンジニアの登竜門」と書かれている通り、一般的にはかなり深いレベルのIT知識を問われる試験です。
純粋にITに興味がある方や、IT系の仕事に興味のある方、ITパスポートを取得してさらにレベルアップしてみたいという方におすすめの資格です。
- 16進数を10進数に変換
- アジャイル開発
- プログラム
など、ITパスポートと比べてかなり難易度が高くなります。
受験したのは大分昔ですが、私も過去問を元にかなりの時間、学習をした記憶があります。
試験内容
試験の形態:コンピュータを使った選択式(CBT)
試験時間:科目A 90分、科目B 100分
受験料: 7,500円
出題範囲
基本情報技術者試験の出題範囲はかなり多岐にわたるため、全てを記載することは困難です。
情報処理推進機構の公式ページにシラバスが公開されているため、興味のある方は確認してみてください。
分野としては、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系に分かれており、それぞれについての用語や計算が必要な問題について問われます。
試験対策
ITパスポート試験同様、過去問をベースに対策していくのが最も効率的です。
ただ、基本情報技術者では計算問題やプログラミングについても問われるため、ITに馴染みのない方は独学でやるにはどうしてもハードルが高い場合があるかもしれません。
その場合は、教科書などでやるよりも動画講座や資格学校などを検討しても良いと思います。独学でよく分からないままなんとなく知識だけをつめこむよりも、プロの説明を受けて本質的に理解をしておくほうが後々役に立ちます。