この記事では、
- エクセルで計算をする際のセル固定について
- 絶対参照の基本
- 実務における絶対参照の使い方例
について解説しています。
数式をコピーしたときに参照がずれてしまう場合、どのようにしたらよいのかを知っておくととても便利です。
エクセルで数式を固定しないとどうなる?
エクセルで数式を作成したとき、1つ1つ手入力していたのでは非常に時間がかかってしまうのでコピーすると便利です。
数式の固定について解説する前に、まずはコピーする方法について解説します。
数式のコピーは、値をコピーするのと同じように行うことができます。
数式をコピーする方法
- 右クリックしてコピー、貼り付け
- ショートカットキー(Ctrl + C → Ctrl + V)を使用
- フィルハンドルを使用
右クリックしてコピー、貼り付け
例えば下記のようなデータで、C列にA列の値からB列の値を引いた数を計算したいとします。
まずはC1セルに、A1セルの値からB1セルの値を引き算する数式を作成します。
この数式をコピーするには、右クリックして「コピー」を選択しましょう。
コピーしたものを貼り付けたい場合も右クリックを使うことができます。例えばC2セルにコピーしたい場合は下記のようになります。
結果は下記のようになります。
複数セルを選択して貼り付けすることもできます。例えば、C2~C5セルを選択して貼り付けすると下記のようになります。
複数のセルに対して、引き算の数式をコピーすることができました。
ショートカットキーを使用する方法
コピー・貼り付けですがショートカットキーを使えば、右クリックしなくてもキーボードだけで実現することができます。
今日から使える頻度の高いショートカットキーですので、下記は是非覚えましょう!
コピー・貼り付けのショートカットキー
- コピー:Ctrl + C
- 貼り付け:Ctrl + V
まずはコピーです。Ctrl + Cは一般的なキーボードでは下記の通りです。このキーを同時押しします。
コピーしたいセルを選択して、キーボードのCtrl + Cを押します。
すると、右クリックでコピーを選んだときと同じようにセルがコピーされる表示に変わります。
次に貼り付けたいセルを選択して、キーボードのCtrl + Vを押します。
フィルハンドルを使用する方法
数式をコピーする方法としてもう1つ、フィルハンドルを使う方法をご紹介します。この方法が手順としては最も少なく効率的です。
コピーしたい数式の入っているセルを選択した状態でセルの右下にカーソルをもってくると形が変わるのが分かると思います。
白い十字マークではなく、黒い十字マークになっています。
この黒い十字マークをフィルハンドルと呼ぶのですが、こちらをクリックしてマウスを使って下にドラッグ(引っ張る)してみてください。
これまでコピーしたのと同じように、数式がコピーされるのが分かります。
数式を固定したい場合
例えば税金を計算したい場合など、特定の値を固定して計算したい場合があります。
このような場合に、例えば下記のような掛け算の数式を作成したとします。
この数式は正しいのですが、先ほどのいずれかの方法を使って数式をコピーすると結果がおかしいことが分かります。
数式を確認すると、参照しているセルがズレてしまっていることが分かります。
これは、エクセルの標準機能でセルを参照している数式をコピーすると自動的に参照をズラしてくれるためです。
このとき、絶対参照という参照方法を使用して数式がズレることを防ぐことができるのでその解説をしていきます。
【絶対参照】エクセルで計算を固定する方法
結論からお伝えすると、参照を固定したい場合には、ドルマーク($)をつけて「ズラさないでね」と教えてあげる必要があります。
先ほどの例の場合だと、ズラしたくない「G3」の部分にドルマークをつけます。
数式をコピーすると、結果が正しく表示されているのが分かります。
絶対参照と複合参照
絶対参照のとき、ドルマークをどこにつけたよいのか分からなくなるという話をおききすることがあります。
たまに参照するセルをドルマークで囲む、と思っている方もいらっしゃいますが、そうではなく列番号・行番号の前にドルマークをつけているのでここは注意してください。
列だけ固定したい場合は列番号(アルファベット)の前にドルマークをつけて、行だけ固定したい場合は行番号(数字)の前にドルマークをつけることも可能です。
一方にだけドルマークをつけて固定する参照方法を複合参照と呼びます。
キーボードのF4キーを使うことで通常の参照(相対参照)・絶対参照・複合参照を切り替えることもできますのでこちらも是非使ってみてください。
実務で使える絶対参照
解説してきた絶対参照ですが、実務でどのように使われるのか?もう少し見てみたいと思います。
先ほどの税率のような計算式でも十分実務で使うことができますが、VLOOKUP関数を使う際の参照によく使用されますのでご紹介します。
VLOOKUP関数をよくしらない方は、何となくこういう風に使われるのだなあというレベルでもよいので参考にしてみてください。
VLOOKUP関数は、引数に検索値・範囲・列番号・検索方法を指定します。
VLOOKUP関数の型
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
例えば果物の名前を検索値として単価を調べたい場合、まず検索値を通常の参照(相対参照)で指定します。
次に範囲を指定しますが、このときに絶対参照を使用します。
数式をコピーするたびに検索する対象がズレてしまっては困るので、絶対参照で固定するということです。
結果として、表から正しく検索値を取得することができました。
VLOOKUP関数については下記のまとめ記事がありますので、こちらもご参考下さい。
関連記事:【基本から応用まで】エクセルVLOOKUP関数の超まとめ!